【重要】法定相続情報一覧図とは? 制度の概要・メリット・使えない場面

目次 Outline

法定相続情報一覧図とは?制度の概要について

遺産整理と呼ばれる、遺言書のない場合の相続手続きの実務フェーズにおいては、遺産の種類に応じ所管する関係機関への個別の手続きを要しますところ、個別の遺産につきその帰属を疎明するにあたり、被相続人との関係において法定相続人であることを証する書面と、法定相続人全員が関与した権利承継についての適式な書面の双方を提示することが第一歩となります。

このとき、法定相続人であることを証するには、一般に、被相続人の戸籍と相続人の戸籍を揃えることのみ周知されていますが、遺産分割協議のなどの権利承継についての書面の適式性の確認も併せて行うことが円滑とされており、実際には、被相続人の相続関係すべてを証する疎明資料を揃えることが望ましく、結論として、被相続人の死亡から出生(遅くとも15歳)までの戸籍を遡りながら一連で収集し、法定相続人となり得る子の存否、死亡していれば直系卑属を辿る作業を経て、一連戸籍としてまとめ上げ、関係機関に提示することとなります。

戸籍収集においては、少ない場合は5通程度の収集で済む場合もあるのですが、被相続人が養子縁組している場合、婚外子を認知している場合、転籍している場合、相続人が転籍している場合、被相続人や相続人の本籍地が遠方である場合など、変動要件が加わるごとに戸籍収集の難度が上がり、収集した戸籍の通数が15通程度になることも、めずらしくはありません。

また、これらの収集戸籍群は個別遺産を所管する関係機関ごとに提出する必要があり、順次の原本還付を受けて1つ1つ処理する場合は1セットの収集でたりるものの、時間短縮の要請から一度に複数の関係機関へ手続きすべき場合は、不動産登記にかかる法務局や、金融資産を所管する金融機関・証券会社等の数が増えるごとに1セットが必要となり、必要セット数を逆算して収集を開始しなければ、再度の取得を要し非常に迂遠です。

これらの不便を解消するため、創設された制度が法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出です。

これは、過不足なき一連戸籍を収集のうえ、申出書や申出人作成の一覧図(法定相続情報)とともに所定の手続きで法務局に一覧図交付を申し出ることにより、原本を法務局で保管のうえ、奥書のある法定相続情報一覧図(通常はA4版1枚)が交付され、個別遺産の関係機関数に応じた枚数の交付を受けることにより、戸籍群の提出に代えて手続きを進めることが可能となり、利便性の向上が図られました。信頼性を担保しつつ、戸籍収集の省力化を可能としたことで、現在では広く活用されています。

相続手続きで法定相続情報一覧図を活用するメリットと便利な場面

遺産整理では、個別遺産を所管する関係機関ごとに、所定の手続きを要することは前述のとおりですが、いずれの関係機関にも共通して提示すべき疎明資料である一連戸籍群に代えて、その信頼性にかんがみ法定相続情報一覧図の提出で足りるとする関係機関が増加したことで、利便性は格段に向上しました。

法務局での厳正なチェックを経て交付された法定相続情報一覧図への信頼は、申出書添付の関係図、一連戸籍群の正確性が基盤にあることから、その帰結として、申出人側での正確かつ円滑な戸籍収集手続きが、遺産帰属の早期化を図るうえで大きな要因になると言えます。

戸籍謄本一式の代わりになる?証明書が使えないケースと注意点

このように、利便性の高い法定相続情報一覧図ですが、交付をうけられない、もしくは、個別遺産の所管関係機関に提示するだけでは足りず別途戸籍群の提示を要する場面もあり、事案ごとに注意が必要です。

まず、交付をうけられないケースですが、法定相続情報一覧図の名のとおり、相続に関する用途に限り交付されるという書面の性格上、利用目的がそれを逸脱している申出に対しては交付されません。

次に、被相続人が外国籍の場合、および、法定相続人に1人でも外国籍の方がおられる場合は、その者につき日本の戸籍による身分関係の疎明ができないため、このような事案でも法定相続情報一覧図は交付されません。例えば、日本国へ帰化した後に生じた相続において、被相続人の死亡時の国籍は日本であることから、日本の相続法が適用されるところ、法定相続人となる子のうち1人でも外国籍の方がおられれば、全体として当該事案には法定相続情報一覧図交付手続きは適用できないこととなります。この場合は、従前通り一連戸籍の収集、殊に帰化前の旧本国戸籍遡及による出生までの旧本国戸籍収集・翻訳文に加え、子のうち外国籍である者の本国戸籍収集・翻訳文が必要となります。

また、相続人資格に加えられた制限や相続人からの離脱の事実は法定相続情報一覧図には反映されないため、そのような事案では一連戸籍群を添付のうえ別途疎明が必要となります。具体的には、相続欠格、相続人排除、相続放棄などです。相続放棄については戸籍にも反映されませんので、相続放棄申述受理証明書を別途添付することとなります。

加えて、被相続人が外国籍の場合や、法定相続人に1人でも外国籍の方がおられる場合は、その者につき日本の戸籍による身分関係の疎明ができないため、このような事案でも法定相続情報一覧図は交付されません。

なお、法定相続情報一覧図を一連戸籍の代用として取り扱わない金融機関も少数あり、それらの金融機関には従前とおり一連戸籍の提示を要することとなります。

導入前に知りたい一覧図の内容・法定相続人との関係

法定相続情報一覧図は、交付申出を受けた法務局において内容を精査し、正確性を確認後に申出人添付の関係図へ法務局の奥書を付して交付されるものです。通常は郵送申請後2週間程度で交付を受けることが一般的です。

また、申出人は法定相続人等、限定された者のみ該当し、手続きの煩雑性から、行政書士等の専門職が委任を受け、代理人として申し出ることが一般的です。

相続人の1人から申出することも可能で、全員の合意による必要はありません。

なお、法定相続情報一覧図は被相続人ごとに構成されるため、数次(再転)相続と同視し得る近接時期に父母が立て続けに亡くなった場合であっても、被相続人父、被相続人母の2申出が必要となります。

法定相続情報一覧図の必要書類|被相続人・相続人別に用意するもの

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出には、まず、被相続人の除籍謄本および出生(遅くとも15歳)まで遡及した一連戸籍に加え、被相続人の除票が必要となります。除票は最後の住所地を疎明し、法務局の管轄を確定する資料となります。除票が取得できない事情がある場合は、戸籍の附票(除附票)を取り寄せ、最終住所地を疎明します。

次に、相続人について戸籍謄本が必要となります。被相続人の一連戸籍から分岐時点より現在までのものが必要で、転籍等を経ていればその経過のわかる戸籍も併せて揃えます。改製(電算化含む)を経ていれば改製原戸籍も添付することが望ましいものです。

その他、法定相続情報一覧図に相続人を表記するにあたっては、現住所の記載が許されており、その記載がないことで後の手続きに支障が生じる場合は、申出にあたり各相続人の住民票を揃え申出に添付します。

また、相続人の代表として申出人となる者について、本人確認書類の写しを添付します。具体的には、運転免許証写し(表・裏)、マイナンバーカード写し(表のみ)、住民票写し等です。なお、運転免許証やマイナンバーカード等の原本写しについては、原本に相違なき旨の申出人による自署・捺印を求められます。

加えて、行政書士等の専門職へ手続きを委任する場合には、申出人から当該専門職宛ての委任状の添付を要します。

申出人側で作成・添付する一覧図(法定相続情報)について、基本的には相続関係図の作成要領と変わるところはありません。ポイントは被相続人から分岐するチャート形式での作成が推奨されていること、同一親等は同じ高さで視認性を高めること、本籍・氏名・生年月日のほか、住所を記載する場合は疎明資料通りに漏れなく記載すること、等です。

なお、最下段には四角囲みで作成年月日・作成者住所・氏名を記載します。

被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍謄本を収集する方法

被相続人の一連戸籍収集については、除籍(逝去された際の戸籍)を最新のものとして、1つ前、1つ前と辿っていく遡及請求を原則とします。

戸籍の編製については別途詳述しますが、概ね、いずれの戸籍にも冒頭に戸籍事項欄があり、その記載を参照します。戸籍事項欄には、当該戸籍がいつ、どのような事情に起因し編成されたかが記載されており、その内容を精査することを以て、遡及の第一歩となります。具体的には、戸籍記載者の事情(転籍や分籍、条文付きの創設等)によるものか、戸籍制度の事情(法改正)によるものかを見極めます。戸籍記載者の事情によるものの場合は、当該被相続人の身分事項欄を別途精査し、遡及戸籍の本籍地・筆頭者を確認します。戸籍制度の事情によるものの場合は、同一本籍地・筆頭者にて改製原戸籍を遡及請求します。

これらの作業を1つ1つ積み重ね、牽連を確認のうえ、空白の無きよう出生まで遡ります。

提出時の書類順序は、最新のもの(除籍)から古い年代へ重ねていくのが一般です。

相続人全員分の戸籍謄本・抄本、住民票または住民票の代わりになる公的書類

他方、相続人の戸籍を揃える作業は、被相続人の場合の遡及請求とは異なり、相続人戸籍からの分岐点(結婚や婚外子出生による除籍、分籍等)から現在まで、時の経過に沿って揃えていく作業となります。分岐点から現在戸籍に至るまでの間に、転籍や結婚・離婚による身分関係変動に伴う戸籍の異動があれば、それらもすべて追い、牽連を確認のうえ、空白のなきよう現在まで辿ります。

また、法定相続情報一覧図に各相続人の現住所を記載すべき場合は、疎明資料として各人の住民票写しを取得します。同時に提出する戸籍記載の者との同一性確認に資するよう、本籍地記載の住民票写しの取得が望ましいものです。住民票を取得できない事情のある場合は、本籍地において戸籍の附票を取得し添付します。

なお、用語の意味する違いについては理解が難しい箇所があると思われますが、官公署で保管する情報の原本をもとに、法が記載を許容した内容に省略のないものが謄本、申請人にかかる情報の部分のみ抽出した書面が抄本であるとの、概ねの理解で読み進めてください。

配偶者・子・兄弟姉妹がいるケース別|必要な戸籍の範囲と注意点

民法上、法定相続については相続順序が定められており、被相続人の配偶者は常に相続人となります。第一順位者は直系卑属で、第一順位者がいる場合(先死亡の者に直系卑属がいる場合はその者を含む)は被相続人配偶者とともに相続人となり、この限りで相続人は確定します。第一順位者がいない場合は、第二順位者となる直系尊属の存否を確認し、生存している直系尊属と被相続人配偶者が相続人となって、この限りで相続人は確定します。第一順位者、第二順位者とも不存在の場合は、被相続人の兄弟姉妹が第三順位者となり、被相続人よりも先死亡の兄弟姉妹に直系卑属がいれば、その者(一代)に限り代襲相続者として、被相続人配偶者とともに相続人となり、相続人が確定します。

このように、事案がどのケースにあたるかによって、相続人の範囲は異なり、疎明資料となる戸籍収集にも影響を与えます。

配偶者と子が相続人の場合に必要な書類と戸籍のつながり

最もシンプルなケースと考えられ、被相続人除籍中に配偶者および未婚の子の記載がある可能性が高く、結婚等で戸籍を出た子について、分岐点から現在戸籍までを辿れば、相続人全員の戸籍を収集できます。

兄弟・兄弟姉妹が相続人になる場合の戸籍収集と必要書類

第二順位については、幼くして亡くなった子の親が相続人となるケースをイメージされると理解しやすいものと思われます。要するに被相続人に子がないケースで、直系尊属(両親・祖父母)が生きていれば、被相続人配偶者とともに相続人になると規定されています。この場合は、まず両親の存否を確認、生存者がいなければ、父方・母方の各祖父母(計4名)の存否を確認します。いずれも不存在のときに、はじめて第三順位者の存否を検討することとなります。

実は、この第三順位相続人の特定作業が非常に煩雑で、相続手続きにおいて悩ましいものとなっています。理由は、被相続人の兄弟姉妹の範囲の広さにあります。

まず、通常の相続手続き同様、被相続人の一連戸籍を揃えることは当然のこととして、さらに被相続人の父・被相続人の母についても各一連戸籍(出生から死亡まで)を収集のうえ、相続人確定を検討する必要があります。

被相続人の父・被相続人の母とも、知り得る被相続人の兄弟姉妹以外に、前婚での子や未婚の際に出産し養子に出した子なども被相続人の兄弟姉妹となり得るため、被相続人の一連戸籍には記載されず知り得ないそれらの者がいないことを疎明する必要があり、それらの者が生存していれば現在戸籍まで、先死亡であれば一代に限り直系卑属が代襲相続するためその者の現在戸籍までを追わなければ、相続人確定とは断言できないからです。

代襲相続・相続人が複数いるケースでの書類準備と一部の相続人への対応

先述したとおり、第三順位相続人が生じるケースでは、被相続人の両親につき一連戸籍を収集、婚外子や前婚の子などの存否を確認し全体を把握しますが、被相続人よりも先に死亡している者がいる場合は、その者に直系卑属がいれば一代に限り代襲相続人となります。その直系卑属が複数いる場合は、同一順位でともに代襲相続人となりますので、それらの者の現在戸籍までを追う必要があります。

なお、代襲相続人を含む第三順位者の存在が明らかになった時点で、後の遺産分割協議を想定して通知書の準備を検討されると円滑です。これらの方は、通常は疎遠ないし被相続人(叔父・叔母)の存在をまったく知らない場合も多く、要らぬ不安を与えぬよう入念な事情説明の書面を準備することで、円滑に手続きが進むことを期待できるため、行政書士等の専門職への委任を検討されることも選択肢となります。

法定相続情報一覧図の保管・交付申出を自分で行う手順|申出書の書き方から申出まで

定型的な相続であれば、法務局の公開している書式をダウンロードのうえ、記載例に基づき記入箇所を確認、事案に応じ適宜作成し提出することで、法定相続情報一覧図の交付を受けることができます。

複雑な相続関係や、難解な箇所については、行政書士等の専門職へお尋ねいただくことで、疑問が解消し円滑な手続きが期待できます。

作成前の準備:必要書類を収集し、相続関係を確認するステップ

作成前には被相続人の一連戸籍、相続人全員の戸籍、被相続人の除票もしくは戸籍の附票(除附票)を準備します。申出人となる者について、前述のとおり、認証文・自署・捺印入りの身分証明書写し等も併せて準備します。行政書士等の専門職へ委任される場合は、事前相談のうえ委任状用紙の交付を受け、当該専門職宛て委任状へ署名・捺印します。この場合は、必要書類の段取りも当該専門職が併せて行うため、負担が軽減されます。

申出書のダウンロード方法と書き方|記入・記載例で確認するポイント

ブラウザの検索箇所に法定相続情報一覧図と入力のうえ、法務局オフィシャルページを開き、様式のダウンロードを行います。申出書はワードファイルで、一覧図はエクセルファイルで各公開されており、記載例のファイルも併せてダウンロードしておくと、ローカルでの作業を円滑に進めることが期待できます。

管轄法務局を被相続人除票から特定し記入、被相続人情報は氏名・最後の住所・生年月日・死亡年月日を記入します。申出人情報は住所・氏名・連絡先・被相続人との続柄を記入します。利用目的・必要通数・交付方法・被相続人名義不動産の有無・申出先登記所の種別欄は、事案に応じ各記入します。

一覧図の作成方法:法定相続人・住所・被相続人の記載と認証の流れ

一覧図はエクセルファイルのマーカー部分を事案に応じ入力します。提出用に印刷する際はマーカーは印刷されませんので、文字の重なりや隣のセルで文字が遮られていないかにつき、確認のうえ作成します。

申出書や添付書類、一連戸籍と併せて法務局へ提出すると、法務局で受付され確認作業を経て、記載内容や添付書類に問題がなければその旨認証され、原本は法務局へ保管されます。申出人には奥書の付された法定相続情報一覧図が必要通数分交付されます。

なお、最初の申出を行った年の翌年から起算して5年間は手数料はかかりません。

法務局への申出・申請方法|窓口・郵送での提出手続き

法務局は各方面の本局、本局のない府県については府県庁所在地に地方法務局が、地方法務局には必要に応じ支局・出張所が各配置されています。

法定相続情報一覧図の保管及び作成の申出については、被相続人の本籍地・被相続人の最後の住所地・申出人の住所地・被相続人名義の不動産の所在地が各許容されており、いずれかに該当することを疎明のうえ提出が認められていますので、被相続人の最終住所地の法務局が一般的ですが、利便に応じ適宜法務局の選択は可能です。

受付・審査は不動産登記部門が行い、窓口提出の際は当該法務局の不動産登記部門へ提出します。原本還付用の返信用封筒(追跡機能のあるレターパック等)を添付しておくと、一覧図とともに、一連戸籍等の提出原本の還付を受けることができます。郵送での申出も可能で、窓口提出同様、返信用封筒も同封しておきます。

管轄の法務局・登記所を確認し、申出書と添付書類を提出する手順

管轄法務局の確認は、各本局・地方法務局の公開情報に基づき特定します。

前述のとおり、管轄特定には4つの選択肢があるところ、選択した法務局がいずれの都道府県にあたるかを特定、当該都道府県の本局もしくは地方法務局のウェブページを参照し、管轄法務局を特定します。通常、行政区域名に基づき管轄法務局が定められているため、例えば被相続人の除票を管轄特定の疎明資料とする場合、除票に記載された最終住所地の市区町村を公開情報と照合し、管轄法務局を特定する、といった方法をとります。

交付される法定相続情報一覧図の証明書|取得方法・発行枚数・写しの扱い

相続手続きの利便に資することを想定して創設・運用されている制度であり、その目的の範囲内であれば必要通数を請求できます。通常、金融機関手続きを含め10通以内で足りるケースが大半です。申出の際に交付請求した通数が発行されるほか、追加で必要となった場合は、あらためて再交付の申出を行います。

法定相続情報一覧図は法務局専用用紙に印刷され、複写は無効となっています。

再交付の申出方法、問合せ先、代理人が提出する場合の対応

最初の申出の年の翌年から起算して5年間であれば、無料で何度でも再交付を受けることができるものとされています。申出は最初の申出にかかる法務局へ行います。申出人の身分証明書や代理人へ委任する場合の委任状等は前述の最初の申出時と変わるところはありません。

委任状で行政書士などに依頼する方法|専門家へ任せる判断基準

相続事案であり遺言書のないケースには、法定相続情報一覧図の交付を受けることが有益ですが、そのような事案に遭遇する頻度は人生において多くはないものであり、その数度の機会に調査を重ね、ほぼ初見の事案に対処することは、失敗できない重要事案であることに鑑みても、不合理かつ負担が甚大であると言えます。費用負担は伴いますが、専門職のスキルを活用することで時間と労力を節減できるメリットを検討されることが判断基準となるでしょう。

代理人申出に必要な委任状の記載事項と本人確認書類

委任状の記載事項について、委任者住所氏名の自署・捺印、受任者住所氏名の表記、作成年月日の記載は他の手続きでの委任状と変わるところはありません。

法定相続情報一覧図の保管及び作成の申出においては、委任事項に作成・保管及び一覧図の写しの交付申出・交付通数・原本還付を含めておくと円滑です。

行政書士に依頼できる手続きと費用目安の判断基準

行政書士に依頼された場合、相続人調査(戸籍収集)、相続関係図作成を含め、法定相続情報一覧図の保管及び作成の申出まで、一貫対応が可能です。また、ご自身で進める部分と専門職へ依頼する部分を分離することで、費用負担を低減させることも可能です。

費用目安を検討するにあたっては、当該分野の業務処理についての熟練度と事後の手続きへの牽連を考慮すべきと思われます。何事においても、普段から反復して対処している分野は細部に至るまで熟練度が高く、また、事後の手続きが金融資産の帰属を進める手続きの場合には、専門特化している行政書士を選択することで、失敗のない手続進行と早期の帰属実現が期待できます。つまり、費用の透明化は図りつつも、パフォーマンスを重視することで、納得感を得ていくほか無いようにも思います。優れたスキルに対応した費用の多寡を検討するにあたり、パフォーマンスを無視した空疎な議論は意味をなさないからです。

自分で行う場合と専門家へ依頼する場合の手間・注意点を比較

自分で主導して行うことを前提に、部分的な助言や支援を得ることで、費用負担の低減を図ることは、当然望ましいものです。時間的な、また行動力に余裕があり、意欲をお持ちの方が取り組まれることは自然で、ご自身での自己完結がかなえばこれ以上のものはありません。

そのうえで、専門職に部分的な依頼をするに際して重要なことは、委任範囲の確定です。

どの作業を、どの程度、いくらの費用で委任するかを明確にし、委任契約を締結することが肝要です。事案により費用の多寡は異なるところもありますが、概ね、委任範囲の縮小に従い費用低減が図れるものです。

また、相続人間に紛争の火種がある等、当事者にしか知り得ない事情がある場合は、相談段階から詳らかに開示することが大切です。専門職の経験を活かした見立てと、無用の紛争を回避する術などは、事前に情報を得てこそ効果を発揮するもので、結果として知るに至った情報でも早期の教示があれば何とかなったというケースも多くあります。

取得後の活用方法|預貯金の解約・名義変更に使う際の注意

昭和・平成と異なり、金融資産を個人で運用することが常態化した現代において、金融資産の帰属を遺産分割協議書で明確化させて、法定相続情報一覧図を活用する場面が増えています。

金融機関での預貯金解約・名義変更に活用する方法と提出書類、遺産分割協議書との関係

まず、被相続人の金融資産を種類ごと、金融機関ごとに明確化し、各残高を知り得る限り整理します。相続人から選定された代表相続人の立場で各金融機関に問い合わせ、正確な残高の回答を得ることも可能です。ただ、大幅な価値の増減が想定しづらい場合は、概ねの残高で分割協議を先行させるケースもあります。

次に、各金融機関の相続対応窓口を確認し、公開された情報や様式があればそれらを揃えます。分割に至る過程により、遺産分割協議書や調停調書、審判等と相続関係疎明資料となる法定相続情報一覧図を用意して、各金融機関所定の手続きを進めることとなります。

この点は、各金融機関ごとに手続きがまちまちなので、必ず確認するようにしてください。例えば、ゆうちょ銀行の場合は、ダウンロードにて入手した所定の様式による相続関係図を作成のうえ、最寄りの郵便局へ持ち込みます。その後、内部処理を経て各方面の貯金事務センターより正式な相続手続き書類が届き、相続関係書類を必要書類一覧表に従い整理、一式を再度最寄りの郵便局に持ち込みます。帰属の方式は名義変更もしくは証書払いを選択、証書払いの場合は後日届いた証書を三度郵便局へ持参し現金化します。しかし、メガバンクや都銀、地銀は各行独自の相続手続きセンターを保有しており、集約・一元対応をしています。それぞれ独自の文化に基づく業務フローと必要書類の選定評価を行っているため、しかも、時代によって取り扱いが異なるため、必ず、手続き時点での最新の方式や書式を確認して対応する必要があるのです。

人生で遭遇する頻度が低く、それでいて失敗したくない重要な手続きについては、ご自身で時間をかけて検討されるよりも、専門家に聞いた方が早くて確実なことも多いものです。事案の見通しが知りたい、課題解決の糸口を見つけたい、との相談でも構いませんので、一人で悩まれている方はお気軽にご相談ください。

「大手前ノーベル行政書士事務所のホームページ」

この記事を書いた人 Wrote this article

yasuoka
TOP